2016年8月25日 著
それは古い古い昔のお話。
闇が世界に広がっている時のお話。
まだ、何もなかったこの世界で、闇は一人、寂しい思いをしていました。
何にもなくて、暗くて、寒くて、退屈で…
自分が何者なのか、全くわかりませんでした。
闇はずっとずっとそんな思いをしながらじっとしていました。
ある時、闇が身じろぎをすると、静電気で雷が起こりました。
最初は戸惑い、すぐに動くのをやめてしまいましたが、闇は初めて闇色以外のものを見つけました。
不思議に思った闇は再び身じろぎをして雷をたくさん起こしました。
すると、雷が発火し炎が生まれました。
炎は空気を熱し、蒸発させ、やがて水蒸気から水ができました。
そんな炎や水や雷を触ろうと、闇は近づき、その冷たさや暑さに驚き飛びのきました。
飛びのいたとき、後に残ったのは風でした。
こうして風も生まれましたとさ…______________________
闇はふと、思いました。
なぜ、自分は「考える」ことができるのか。
暗闇のなか、炎でも、風でも、雷でも、水でもなんでもないのだと理解しました。
なぜ、理解することができたのか。
闇にはそれがわかりませんでした。
そして、名でそういう存在がほかにないのか。
闇にはそれもわかりませんでした。
そのまま闇は考え続けました。
そうして…
幾億兆年の間に考え続けていると、どうでしょう?
いつの間にか動いていたのか、周りにはたくさんの元素であふれているではありませんか。
それらは闇が意図せずとも、化学反応を幾億兆年繰り返し、いつしか宇宙を作り上げていたのです。
ちらちらと輝く星たちを、闇は再び幾年にも眺め変化を楽しみとしていたのでした。